一般社団法人 福岡県助産師会 災害時マニュアル
はじめに

近年日本では、大地震のみならず集中豪雨や台風による水害、竜巻など大規模な災害が頻発しています。福岡県は昔から水害の多い地域ですが、今後は大地震による甚大な被害が起こることも想定されるため、常に災害に備えておくことは必要です。
災害時の助産師の役割は、妊産婦や母子、女性を守り、支援していくことですが、被災者への支援は長期に渡り、きめ細やかなサポートが必要となります。
どのような厳しい状況にあっても、助産師が常に母子とすべての女性に寄り添う支援ができるよう、災害時の活動指針として本マニュアルを作成しました。
日頃から防災、災害支援に対する意識を高めておき、いざという時に対応できるよう準備をしておきましょう。

第1章 災害時における組織体制

災害対策室の設置

 1.設置時期

1)福岡県内で震度6以上の大震災発生時
2)その他の災害時に福岡県助産師会会長が必要と判断した場合

 2.設置場所

1)福岡県助産師会館 「子育て・女性の健康支援センター」
  〒810-0014 福岡市中央区平尾1丁目3-41
        TEL/FAX 092-521-2025
          携帯 080-2779-6708
             080-2781-0503

※助産師会館が被災し機能できない場合、代替え施設は、開業助産院。
 管理者と会長が相談のうえ決定する。(本部機能としての貸借料を支払う)

1)福岡県助産師会館 「子育て・女性の健康支援センター」
 〒810-0014 福岡市中央区平尾1丁目3-41
 TEL/FAX 092-521-2025
 携帯 080-2779-6708
    080-2781-0503

※助産師会館が被災し機能できない場合、代替え施設は、開業助産院。
 管理者と会長が相談のうえ決定する。(本部機能としての貸借料を支払う)

 3.構成員

常任理事4名、災害対策委員8名の計12名で構成。
ただし、構成員が被災、その他の理由で災害対策室へ出向いていくことが不可能な場合は、各自が滞在場所においてメンバーと連絡を密にとりながら、可能な限り役割を果たすよう努める。
状況に応じて構成員が代わることもある。

 4.任務

会 長福岡県助産師会としての災害対策上業務の総括、重要事項の決定。
会員の安否状況情報を、九州沖縄地区理事、日本助産師会へ報告。
副会長県、市町村、その他の関連機関、他県の助産師会との連携、情報集。
書 記県内の開業施設、会員から得られる支援(物資、人員)の情報収集。
支援物資の確保、調整、分配。
会 計支援に必要な財源確保、管理。見舞金、義援金の支給。
災害対策委員長災害対策委員長は会員の被害状況の報告を地区災害員から受け、常
任理事に報告する。他の災害対策委員は委員長を補佐する。

※ 任務は各構成員の状況により、他のスタッフが代行することもある。

第2章 緊急連絡網

緊急時の連絡(会員の安否確認及び情報伝達)

福岡県助産師会の連絡系統

1) 被災した会員は、速やかに安否状況を所属地区の災害対策委員又は地区理事に連絡する。

2) 安否確認の連絡を開始して、48時間以内に連絡のない会員には、所属地区の災害対策委員または、地区理事が安否の確認をする。
  72時間で会長に報告する。

3)得られた会員安否情報は、災害対策委員長がとりまとめ、常任理事に報告する。

4)会長は、会員安否情報を、九州沖縄地区理事、日本助産師会へ報告する。

緊急時の連絡方法については、安否確認訓練に合わせ、各地区で見直しを行う

第3章 防災対策と災害時の対応

① 日常の備えと防災対策

 1.会員の心構え

(1)安否確認の訓練は毎年受ける。
(2)災害時に駆け付けられる状況にある会員は、支援要請があれば応じられるように心構えと物品の準備をしておく。       
(3)災害ボランティア登録方法(可能な場合、ボランティア登録をしておく)

【ボランティア登録について】
日本助産師会のホームページ「会員専用ページ」の【災害ボランティア応募フォーム】に必要事項を入力して送信してください。

 2.環境の点検

(1)建物
 ・施設の耐震・免震構造、防火構造の確認。
 ・耐火設備の点検(耐火扉、排気口、消火栓、消火器などの位置と使用方法)。

(2)設内の整備(棚や器具等の転倒、落下防止)
 ・戸棚の転倒散乱防止対策(家具転倒防止器具、開き戸ストッパーの使用)。
 ・ベッド、新生児コットなどのキャスターは対角線に止めることが のぞましい。
 ・ガラス戸にはガラス散乱防止フィルムを使用する。 
 ・落下物による事故防止のため、高い所に物を置かない。  
 ・ボンベ類は鎖で壁に固定するなど転倒防止策を講じておく。
 ・分娩台は固定する。
 ・薬品は揮発性、可燃性など区分けし、劇薬、瓶類は床に近い所に収納する。
 ・免震マット、超粘着振動吸収マットの使用。

(3)避難場所、避難経路の周知と確認
 ・避難場所は母子の安全性、保温設備の有無を考慮する。
 ・避難経路には物品を置かないようにする。
 ・誘導灯の設置、点灯確認。

 3.ライフライン途絶の備え

(1)電気
①停電時の分娩介助の備え
・トラウベまたは聴診器、携帯用ドップラー(電池式)、災害用分娩キット、懐中電灯またはヘッドライト、保温のための物品(毛布保温シ-ト、使い捨てカイロ)などを常備し点検しておく。   

②停電時の設備の点検と確認
・非常用電源のある施設は通常用電源の使い分けを確認しておく。
・施設の非常用電力の使用可能時間を知っておく。
・避難時の使用にも使える懐中電灯(電池も含め)を常備しておく。
 電池不要の手回し式充電タイプなどもある。
 LEDライトは非常に明るく電池の寿命が長い。ヘッドライトは両手が使えて便利。

(2)水道
①手洗い・生活用水
・水道水が使用できない場合の消毒方法の備えをしておく(擦り込み式消毒薬、ウェットティッシュなど)。
・給水用の大型バケツやポリタンクを備える。
・ビニール袋(45ℓゴミ袋)は水の運搬やトイレに使用できるので多めに備えておく。
②調乳用水・器具消毒
・確保が困難な物品の一つ。災害時には母乳育児が最適である。そのために普段から母乳育児を推奨し支援を行っておく。
・器具はディスポ製品を利用する。

(3)備蓄用品
・備蓄物品は、施設の規模により考慮する。    

※ 災害発生後、2~3日は被災地外からの救援物資や応援が困難となる。
 災害を乗り切るには、知恵と工夫も必要なので、防災に関する研修会や地域の防災訓練などにも参加しておく。

② 被災緊急時の対応

 1.災害直後

(1)施設内(建物・人)の被災状況の確認
・建物、ライフラインの被害状況、施設機能が継続可能かどうか。
・入院中の母子の安否状況の確認。
 避難が必要な場合、避難先の決定。母子の状態に応じて避難誘導する。
 避難の際はスタッフが同伴し、母子一体で 集団避難する。
・被災状況の確認を確認する
  気象庁ホームページ http://www.jma.go.jp/

  消防庁ホームページ http://www.fdma.go.jp/ 

・福岡県助産師会に支援の要請があった場合、緊急連絡網にて会員に周知する。
・単独でボランティア活動をする場合は、なるべく現地のボランティア団体に登録し、他の支援団体と連携を取りながら活動を行う。
 (自己判断での活動は危険です)
 その際 助産師であることを明確にしておく
 (助産師会会員証の提示・助産師ゼッケンの着用など)
 
(2)妊産褥婦、新生児の生活への支援
・災害時は ライフラインの遮断(停電、断水、ガスの停止)、交通の遮断、情報の遮断が起こる。看護に影響を及ぼすものは以下のとおり。
 ①排泄 ②飲料水(食事) ③精神面  ④環境の調整 ⑤清潔 

① 排泄
・トイレに水が流れない場合:
 トイレは排尿時のみ使用し、便は新聞紙や紙オムツに包み、トイレットペーパー、ナプキンと共に小さなビニール袋に入れ、大きな袋に入れる。

② 飲料水(食事)
・日常備蓄用品を使用する(紙皿、紙コップ、ラップ、アルミホイル等)。
・母乳を頻回に飲ませる。
・電気が使用できるようになれば、ミネラル水を沸かして調乳する。
・水が使用可能であれば、哺乳瓶などは薬液消毒する。

③精神面
・母子一体で避難する。できれば安心感が得られる場(部屋)を作る。
・情報提供できる手段を確保して、できる限り災害の状況を伝える。
・家族に安否を連絡する。
・意識的に声掛けを行う。

④環境の調整
・保温は季節により考慮する。停電時、乳児は母親の体温、衣類で保温する。
   
⑤清潔
・手指消毒は、擦り込み式消毒薬、ウェットティッシュを使用する。
 必要に応じてディスポ手袋を使用する。

 2.災害発生後、中、長期的な援助(3日~)

◎災害発生時の妊産婦の行動及び心理面の特徴
・多くの妊産婦は2~3日のうちに実家や親戚、友人宅に避難する
・長期間避難所を利用する者は少ない
(劣悪な環境や周囲への気兼ねなどで、避難所で生活することができない状況)
・妊娠、分娩に対して不安が強い
・分娩施設変更の不安がある         

◎母子、女性は 避難所で大きなストレスを抱える
・他者への気遣い(授乳、子供の泣き声)
・夫不在による不安、家族のサポートが得られないことによる育児負担で、母親のストレスによる乳幼児虐待も起きている。
・避難所、半壊のガレキの中でのレイプや性的虐待も報告されている。

③ 助産師としてできること

 1.災害時の妊産褥婦、乳幼児と女性への支援

① 早期退院母子への電話、家庭訪問の実施。
② 施設助産師と地域助産師との連携。
③ 行政が実施する母子訪問事業との連携。
④ 妊婦健診、母乳・育児相談、女性の出張相談。 
⑤ 被災地の母子や女性に対し、相談窓口や電話・メール相談についての情報提供(子育て・女性の支援センターでの相談等)。
⑥ 避難所での支援 責任者に母子・女性への配慮が必要性を訴え、専用スペースを確保する。

 2.助産師自身のケア

⑦ 被災した会員は、地域住民として、家族との時間を過ごすことを優先する。
⑧ 助産師会に、被災状況、支援の必要な場所や物品の情報提供を行う組織、会員の協力を活用しながら、悩み事や相談の解決をめざす
⑨ 支援者のための研修会を開催する(支援者同士のエンパワーメントを目的とした心のケアの研修会など)

④ 非常用物品

◎福岡県助産師会館に、災害時に備えて物品を配置。
物品管理は災害対策委員会が行う(点検 年1回4月)。
必要に応じて、新たな物品の購入、補充を行う。

医療用品非常用分娩セット非常用品・生活用品ティッシュ5箱
聴診器防水シーツ
救急箱マスク(大人・子供用)各1箱
擦り込み消毒薬手口拭きシート
食品保存水(5年)2ℓカイロ
ミルクキューブ161袋アルミホイル、ラップ各2本
乾パン3缶紙コップ・紙皿20
プチバゲット3缶カセットコンロ
ボンラクト1缶カセットコンロガス3本
アルファー白米9個タオル
非常用品・生活用品避難袋バスタオル
アルミブランケットタオルケット
簡易トイレ20枚紙オムツ(L・M)各1袋
軍手6組おしり拭きパック6個
ホイッスル生理用ナプキン(夜)
ラジオ付LEDライト生理用ナプキン
(昼・長時間)
筆記用具・紙おりものシート
除菌スプレー

≪ 助産師会館内に常備すべき 非常用備品 ≫

災害時の生活に必要な物資支援体制については『プッシュ型支援』 (:内閣府 防災情報のページ)を参照

具体的な支援内容

1.災害による妊産褥婦の健康ニーズ

 1.災害時の妊産婦・乳幼児をもつ母親の心と身体

≪特徴≫
①長期間避難所を利用するものは少ない。
②妊娠・分娩・育児・母乳栄養に対する不安が強い。
③分娩施設変更への不安がある。
④身体が思うように動かせない、重いものを持てない。
⑤月経や悪露の処理の困難さ。
⑥プライバシーのない避難所等で性的嫌がらせやレイプがある。
⑦安心して授乳できる環境がない。
⑧避難所で小さな子どもを持つ親としての気兼ねがある。

≪身体的影響≫
①下腹部痛や性器出血を主訴とした切迫流早産
②蛋白尿の出現、浮腫の増強、血圧上昇、体重増加、体重減少
③外陰部の掻痒感
④ 母乳分泌の減少、乳腺炎
⑤マイナートラブルの増悪…腰痛、頭痛、下肢のだるさやしびれ、不眠、便秘、全身のかゆみ、など

≪精神的影響≫
①流産や胎児に対する影響の心配、妊娠継続への不安
②分娩施設の変更、陣痛発来時の対応への不安
③家族やペットとの別離による寂しさや喪失感
④プライバシーのない生活によるストレス
⑤情報不足による不安
⑥子育てする気がおこらない、イライラする
⑦マタニティーブルーや産後うつになりやすい

 2.妊産褥婦のニーズ

①早期の妊産婦の把握と支援
②物資の援助としてのマタニティウエアや育児用品、保温用品、外陰部清浄綿やナプキンの調達
③優しい声かけと笑顔
④安全な場所の確保と配慮
⑤母乳の援助
⑥災害時の過ごし方や健診の情報
⑦母親学級など同じ仲間の集い
⑧こころのケア

2.避難所における女性および母子支援

 避難所での対応

(1)指定された避難場所に参集
・到着直後、避難所担当者に氏名と助産師会 からの派遣であることを申し出る。

(2)避難所担当者の指示に従い、活動開始
・助産師会の名札と所属を明記した上着を着用する。
・支援は2人以上で行動することが望ましい。
①相談できる場所を作る。
女性専用支援室またはコーナーを設ける …相談や更衣・授乳など気軽に来て良いことを伝える。
②相談窓口・電話・メール相談の情報を提供する。

(3)活動記録
【災害時情報連絡 覚え書き用紙】 は、こちらからダウンロードできます。

(4)会長は各関連機関に必要事項をとりまとめて報告

 妊婦・褥婦・母(子どものいる女性)・高齢者への支援

≪確認事項と観察ポイント≫
○対象者氏名・既往歴・現病歴(内服の有無や薬剤の確保状況)
○家族構成・それぞれの家族の安否や居場所・家屋の被害状況
○血圧・睡眠状況・排泄状況・表情・声のトーン・ 外傷や浮腫の有無(場所、程度)
○(特に被災後)DVや虐待、心理的反応はどうか
○母子手帳の有無
○(妊婦)妊娠経過 お腹の触診(胎動の程度・お腹のあたたかさはどうか・羊水量)
○(褥婦)妊娠、分娩経過・悪露の排泄状況(産褥1ヵ月程度まで)・ 乳房の状態(乳房乳頭トラブルの有無)・分泌状況 授乳状況・母乳の回数や授乳時間 ・プライバシーの確保はされているか・お湯、ミルク、哺乳瓶または清潔なカップなど授乳に使用するものが確保されているか、洗浄は可能か
○(高齢者)認知症状の有無と程度・徘徊・尿失禁の程度と頻度・要介護認定及びサービス利用状況・生活の自立度(必要に応じて家族などから情報収集する)

≪具体的支援≫

*健康管理

血栓予防妊婦や褥婦は一般よりも血栓ができやすい.
静脈血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)の予防として、屈伸運動や散歩などで体を動かすことと適度な水分摂取が必要であることを伝える。
便 秘環境の変化などで便秘になりやすい。予防と対策として、足の筋肉を動かすことで腸も動くので、散歩や屈伸運動をすることや 適度な水分摂取が必要
冷 え寒い時期に 体育館などが避難所の場合や床に座って過ごす時間が長いと冷えやすい。
ストレスや緊張からも冷えを起こしやすい。 腹巻きや靴下を重ね履きする、
洋服や毛布を腰に巻いたり肩に掛けたりして寒さ対策をする。
適度に体を動かすことも効果がある。
暑 さ暑い時期に体育館などが避難所の場合は窓を閉め切ると風が通らずに暑さが増す。うちわやそれに代わるもので扇ぐ、適度に水分を取ることも大切
熱中症乳幼児や高齢者が発症しやすいので注意する。こまめに水分摂取することを促し、涼しい服装にする(袖ぐりに余裕があり暑さを逃がしやすい。)
顔が赤い、汗をたくさんかいている時 などは、涼しい場所へ移動する。
重症化すると尿や汗や涙も出なくなるので、その際には近くのスタッフへ至急知らせる。
月経生理用品の調達、なければタオルや布切れなどを使用して使い捨てる。
ストレスや状況の変化で月経のリズムが乱れることがあることを伝え、体調を把握するために月経周期をメモしておくとよい。
膀胱炎陰部の清潔が保ちにくいので 対策が必要。
症状は排尿時痛や頻尿・残尿感。
陰部の清潔を保つために、部分的洗浄、使い捨ておしぼりや清浄綿にて清拭するとよい。適度な水分摂取も大切。
尿漏れ骨盤底筋の引き締め運動を伝える(肛門・膣を5~10秒引き締めて緩めるを3~5セット)
尿漏れが気になる時は、尿パットを使用(なければ布などを代用。)
手指の清潔手指の洗浄や消毒には給水車の水や生理食塩水、ウェットティッシュ、
擦り込み式の消毒薬を使用
陰部の掻痒感紙パンツ・ナプキン使用により痒みが出ることもある。物品が少なくてこまめに替えられない場合は、布の端切れを使い捨てる。陰部の清潔を保つためには部分的に洗い、使い捨ておしぼりや清浄綿にて清拭する。
乾燥による肌荒れ避難所は乾燥している。ハンドクリーム などがあれば使用する。肌荒れから掻痒感や切れてしまうような時は、適切な薬剤を使用する。
二次被害の予防女性・子どもはトイレや暗い場所へ一人で行かないように伝える。
暗いところへの移動には懐中電灯を携帯する。

*授乳についての援助
・授乳時のプライバシー確保ができていなければ場所の情報提供、ダンボール の使用、スカーフなど貸出。
・母乳が児にとって最も安心・安全・清潔な栄養であることを説明する。
(栄養 はもちろん抗菌成分・免疫を含んでいるので災害時の下痢や呼吸器感染症の流行から児を守ることができる)
・母親の栄養は授乳加算を考慮して特に十分必要であることを伝える。

*ミルク補足についての援助
・混合栄養の場合は、母乳のメリットを伝え、可能な限り母乳を与えた上での ミルク補足とする。
・水や哺乳瓶、おしゃぶりなどが汚染されていることが多いため注意が必要であることを伝える。
・お湯または衛生的な水で調乳する。(硬水は腎臓への負担や消化不良の可能性があるので避ける)
・ミルク補足には哺乳瓶やカップを使用する。
・衛生面に留意し、煮沸消毒、薬液消毒が不可能であれば、衛生的な水でよく洗って使用する。
・飲み残したミルクはその度に破棄する。

*(高齢者)要介護と判断した場合適切なサービスへと情報を伝える。

 新生児・乳幼児への支援

≪確認事項と観察ポイント≫
○体重・活気・食欲・体温・発育発達状況・離乳食開始後(食品の確保ができているか)
 排泄状況(下痢の持続は要注意!また排尿の状況から哺乳 量の程度を判断する)
○児の心理状態(ぐずり・夜泣きなどあるか・睡眠がとれているか・幼児であれば赤ちゃんがえりやチックなどの出現はあるか)
○児の不安事項・母親からみた児に対する気がかりなこと
○保健医療サービスの利用状況

≪具体的支援≫
*児の栄養管理
新生児・乳児は6回程度/日の排尿、皮膚の色つやや活気があれば、栄養が足りていると判断できることを伝える。
足りない場合は各自に合わせて補足などの方法を指導する。

*児の清潔
・乳児や皮膚の弱い児の場合は、体をウェットティッシュで拭くとアルコールなどにかぶれることがあるので注意する。
・乳児はおむつかぶれを起こしやすい(おむつをこまめに交換できない、入浴できないことによる)ので、お湯で洗い乾燥させる。(タオルを濡らして拭く)
・おむつがない場合はタオルや布切れなどを使用し使い捨てにするとよい。

*児の体温維持

・保温にはアルミ素材のもの、新聞、布団や毛布が適している。
・添い寝や抱っこすることにより保温のみならず心理的安定にもつながる。
・ダンボールで周りを囲うと温かくプライバシーも確保できる。

*児の心理的安定に向けて
・児もそれぞれに被災による変化を感じているが、抱っこ・添い寝、話しかけることなどにより安心感を得られる。
・可能であれば幼児が遊べるスペースを作る。

◎必要に応じて 保健医療サービスの利用を促す。
援助内容・継続支援を要するか、 他機関との連携の必要性などの検討は随時行う。

災難時の備え

1.助産師の持ちだし物品

☑ トラウベ(聴診器) ☑ 手袋(ディスポ 滅菌) ☑ 手指消毒
☑ 血圧計 ☑ 臍帯クリップ(絹糸、紐) ☑ 体温計
☑ ハサミ ☑ カイロ(保温グッズ) ☑ 懐中電灯
☑ ナプキン ☑ 新聞紙(朝刊1日分) ☑ お尻ふき
☑ 記録用紙 ☑ 晒(半反) ☑ 助産師ビブス

☑ トラウベ(聴診器)
☑ 手袋(ディスポ 滅菌)
☑ 手指消毒
☑ 血圧計
☑ 臍帯クリップ(絹糸、紐)
☑ 体温計
☑ ハサミ
☑ カイロ(保温グッズ)
☑ 懐中電灯
☑ ナプキン
☑ 新聞紙(朝刊1日分)
☑ お尻ふき
☑ 記録用紙
☑ 晒(半反)
☑ 助産師ビブス

2.助産院備蓄物品

☑ 分娩キッド ☑ 血圧計 ☑ 手指消毒 ☑ 体重計
☑ ドップラー(トラウベ) ☑ 手袋(ディスポ 滅菌)
☑ 毛布 ☑ カイロ ☑ バスタオル ☑ マスク
☑ タオル ☑ ビニール袋 □ 哺乳瓶 ☑ 粉ミルク
☑ ミルトン ☑ お尻ふき ☑ ナプキン ☑ オムツ
☑ カセットコンロ・ボンベ☑ ウェットティッシュ
☑ 晒 □ 懐中電灯 ☑ ラジオ ☑ 新聞紙
☑ ラップ ☑ 電池 ☑ ヘルメット ☑ 魔法ビン
☑ 水 ☑ やかん ☑ 文具 ☑ 記録用紙
☑ 現金 ☑ 助産師ビブス

☑ 分娩キッド
☑ 血圧計
☑ 手指消毒
☑ 体重計
☑ ドップラー(トラウベ)
☑ 手袋(ディスポ 滅菌)
☑ 毛布
☑ カイロ
☑ バスタオル
☑ マスク
☑ タオル
☑ ビニール袋
☑ 哺乳瓶
☑ 粉ミルク
☑ ミルトン
☑ お尻ふき
☑ ナプキン
☑ オムツ
☑ カセットコンロ・ボンベ
☑ ウェットティッシュ
☑ 晒 □ 懐中電灯
☑ ラジオ
☑ 新聞紙
☑ ラップ
☑ 電池
☑ ヘルメット
☑ 魔法ビン
☑ 水
☑ やかん
☑ 文具
☑ 記録用紙
☑ 現金
☑ 助産師ビブス

3.0次グッズ……普段から持ち歩きましょう

いざという時に備える防災・減災グッズ

☑ ホイッスル ☑ 携帯用ライト ☑ カイロ ☑ 布マスク
☑ 常備薬 ☑ カットバン☑ 大判ハンカチ ☑ ビニール袋
☑ 携帯食(飴・カロリーメイトなど) ☑ エマージェンシーブランケット
☑ 現金 ☑ クリーム ☑ ゴム手袋 ☑ 水
☑ 帰宅支援マップ ☑ ウェットティッシュ

助産師持ち出し物品より
☑ 手袋・クリップ(糸・紐)

いざという時に備える防災・減災グッズ

☑ ホイッスル
☑ 携帯用ライト
☑ カイロ
☑ 布マスク
☑ 常備薬
☑ カットバン
☑ 大判ハンカチ
☑ ビニール袋
☑ 携帯食(飴・カロリーメイトなど)
☑ エマージェンシーブランケット
☑ 現金
☑ クリーム
☑ ゴム手袋
☑ 水
☑ 帰宅支援マップ
☑ ウェットティッシュ

助産師持ち出し物品より
☑ 手袋・クリップ(糸・紐)

ダウンロード用資料

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災害時情報連絡 覚え書き用紙(PDFファイル)

災害時情報連絡 覚え書き用紙(Wordファイル)